生理・心理的向上
木の家は心がやすらぐ。
なんとなく感じていた木の家の良さが
明らかになりました。

生理・心理応答試験

実験でわかったこと
1. 木の家の生理学的効果は、
好き嫌いといった嗜好の影響を受けずに体に直接作用する

2. 非木材の家より木の家の方がストレスを低減する効果が期待できる

3. 天然乾燥の木の香りには上品さを感じさせ、
心を穏やかにする効果が期待できる

4. 天然乾燥材を用いた部屋はネガティブな気分を低下させる

5. 天然の木で作られた家は、
人の脳内における精神作業や記憶活動を維持する効果が期待できる
木の家が好きと答えた人、樹脂の内装が好きと答えた人、それぞれのグループで木の家の生理学的効果を比較実験しました。するとどちらのグループの人も作業課題後に血圧が低下してることが確認され、木の家の生理学的効果は嗜好によらず発揮されるということが明らかになってきました。

そのほかにも、ストレスを評価するための指標として使われている唾液アミラーゼの分泌に着眼した比較実験、対となる形容詞を用い7段階の尺度で回答させる心理学的手法(SD法)を採用した比較実験、医療や産業場面で幅広く活用されているPOMS2というアンケートを用いたネガティブな気分の状態を比較する実験、精神作業や記憶を司る海馬の神経活動と関連していると言われているFmθという特殊な脳波の振幅を比較する実験を実施しました。
いずれの実験においても、樹脂建材と比較して天然乾燥材の方がポジティブな効果が発揮されることがわかりました。

無垢材を内装に用いた建物は
嗜好に関係しない血圧低下効果

体に直接作用し、
木の家に慣れていなくても
生理学的に効果は発揮される

スギから揮発するセスキテルペンが鼻や肺を通って体に取り込まれている効果であると考えられます。
例えば樹脂系内装の部屋に普段住んでいて、木の家に慣れていない人でも、
木の家の持つ生理学的な効果は変わることなく発揮されるということが新たに明らかになってきました。

無垢材を内装に用いた建物は
ストレスを低減する効果を持つ

唾液アミラーゼを
低下させる木の家には、
ストレス低減効果がある

スギ無垢材と非無垢材をそれぞれ内装に使った2部屋で30分程度の課題作業を行い、課題作業前後の唾液アミラーゼの含量を測定しました。
その結果、試験終了後の唾液アミラーゼ含量は、木の家では35.7%と大きく減少したのに対し、非木材の家では5.9%上昇しました。
このことは、天然スギ材由来のセスキテルペン類の放出量が多く、唾液アミラーゼの減少やストレス状態を改善させ、
ヒトの生理・心理面に好ましい影響を及ぼしている木の家の可能性を強く示しています。

無垢材を内装に用いた建物は
心穏やかに過ごすことができる

はっきりした木の香りは
リラックスや上品さを感じさせる

「好き-嫌い」、「はっきりした-ぼんやりした」といった対となる形容詞を用い、
7段階の尺度で回答させる心理学的手法(SD法)を採用して男女合計20名を対象に調査を行いました。
その結果、特にスギの天然乾燥材を内装に用いた場合、単に「強く」「はっきりとした」香りを感じるだけではなく、
「リラックスできる」「上品な」といった項目が高く評定されました。
コロナ禍における居住環境や仕事・ビジネス場面への利用なども今後強く期待されると考えられます。

無垢材を内装に用いた建物は
心理状態をポジティブにさせる

AH
怒り - 敵意
CB
混乱 - 当惑
DD
抑うつ - 落ち込み
FI
疲労 - 無気力
TA
緊張 – 不安
VA
活気 – 活力
F
友好
TMD
ネガティブな気分状態

ネガティブな気分を改善させ、
「混乱-当惑」を低下させた

スギ天然乾燥材と樹脂建材をそれぞれ内装に使った2部屋で30分程度の課題作業を行い、
その課題作業前後に医療や産業場面で幅広く活用されているPOMS2というアンケートで調査を実施しました。
結果、樹脂建材と比較して天然乾燥材を用いた部屋の方が、混乱 – 当惑といった心理的尺度に加え、
ネガティブな気分状態の総合値を有意に低下させることがわかりました。
天然スギ材特有の香り成分や質感などがヒトの心理状態をポジティブにさせた可能性が高いと考えられます。
コロナ禍によるリモートワーク推進の影響で、今後も長時間の在宅作業を余儀なくされる中、
木の家は私たちをネガティブになりやすい感情から守ってくれる存在になることが期待されます。

無垢材を内装に用いた建物は
脳を直接活性化

木材の香りが脳内の記憶活動の
維持・亢進に寄与している

Fmθ(エフエムシータ)という特殊な脳波は精神作業や記憶を司る海馬の神経活動と関連していると言われています。
そこで天然乾燥材の木の家と樹脂系内装材の家で6回のセッションのPC作業課題をした時のFmθ振幅の変化を
精神作業や記憶活動の指標として比較してみました。
その結果、天然乾燥材の木の家では6回のセッションでFmθ振幅は最終的に1.5%上昇したのに対し、
樹脂系内装材の家では10.2%も低下することが明らかになりました。
このことから天然の木で作られた家は、人の脳内における精神作業や記憶活動の維持にも効果がある可能性が新たに明らかになってきました。
記憶機能を維持させる可能性がある天然の木の香りは、超高齢化社会において脳を直接活性化する健康機能性住宅の新たな可能性を示しています。

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