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2024年7月19日(金)
- 周南支店
【周南】瑠璃光寺五重塔の檜皮葺(ひわだぶき)
はじめまして、こんにちは。
4月に入社しました周南支店の川邉愉生(かわべゆは)です。
京都の大学を卒業し、香川の設計事務所で2年間勤めたあと、山口にやってきました。
趣味は美術館巡りや散歩です。
休日は夫と娘(1歳)と周南市の永源山公園で遊んだりしています。
これからどうぞよろしくお願いします。
さて、山口市にある瑠璃光寺の五重塔(国宝)は、現在屋根の葺き替え工事が行われています。
先日その見学会に参加してきました。
瑠璃光寺五重塔の屋根は、檜皮葺(ひわだぶき)です。
檜皮葺とは、檜(ひのき)の樹皮を竹釘で打ち付けて何層にも重ねていく屋根の葺き方です。
日本古来から伝わる伝統的な手法で、できあがる屋根の曲線が美しいのが特徴です。
ただ、瓦や銅板に比べて耐用年数が短く、約30年ほどで雨風台風により劣化してしまいます。
瑠璃光寺五重塔では、1998年に部分的に修理してから25年以上経ってだいぶ傷みが進んでいたそうです。
現場では仮設の足場ががっしりと組まれ、塔全体を覆っていました。
檜皮葺の職人さんにお話を聞いて、実際に檜皮を葺いていくところを見ることができました。
とてつもない手間と時間をかけて作られた檜皮の束です。
1.2㎝ずつずらして重ねて葺いていきます。
隅のところ、きれいな曲面です。
一番上の層の屋根はもう葺き終わっていました。圧巻です。
相輪(そうりん:塔の一番上の金属の部分)をこんなに間近で見ることができました!
(今回相輪の修理もするそうです。)
自然素材の不均一な材料を、手の感覚を頼りに滑らかに仕上げていく技術は、本当に日本らしい繊細なものだと感じました。
また、数十年しかもたないものをこれだけの手間と時間をかけて作り上げるのは、まさに祈りのようなものなのだろうなと思います。
改めて檜皮葺の曲線の美しさや檜皮の色の深さ、また伝統技術を受け継いでいく職人や技術者の方々の覚悟を感じることができました。
完成した姿を見るのが楽しみです。
P.S. 本堂前の池で亀さんが日向ぼっこしていました。石の上に2匹、蓮の葉の上に小さなのが3匹いて可愛かったです。
【周南支店】川邉 愉生